『田園の詩』NO.83 「ホタル日記」 (1998.6.9)


 5月6日。夕食後、小学校の会合に参加した折に、もう数10匹のホタルが飛び回って
いました。この日が私のホタル初見日になったわけですが、まだまだと思っていたので
不意を食ったようでいささか驚きました。今年は2週間ほど早いようです。

 ホタルが出現すると何かと忙しくなります。「お父さん一人が大騒ぎして…」という声が
聞こえてきそうですが、町内のホタル調査や友達を招待してのホタル見物会(食事付き)
など、仕事や天気と相談しながら日程を組まねばなりません。

 私が町内を廻って観察や調査をするのには訳があります。それは、生息状況の年毎の
変化を調べることと、小学校から我が家までの1キロちょっとの間が、町内でホタルの数
が一番多いことを確認するためです。

 気候の具合や洪水の回数、餌のカワニナの状態や土木工事の影響、など様々の条件
によって出現数に変化がありますが、今年は殊の外多いようです。

 5月22日。7年前から毎年見物に来る別府市の友人家族と、前に当小学校に赴任して
いた女性の先生を交えての食事会プラス鑑賞会。「ホタルを見逃すと損をしたようでもった
いない」という先生は、例年以上の乱舞に大満足でした。

 翌、23日の土曜日。午後7時半に小学校に集合。小6の息子の担任がノリのいい先生
で、クラスでホタル観賞会をすることになったのです。

 7人の6年生とその兄弟やお母さん達、合計約20名に先ず私がホタルの一生などの
あれこれを話し、それから1時間ワイワイいいながらホタルと遊びました。


      
    ホタルブクロやネギに捕まえたホタルを入れて遊ぶ子もいました。  (09.5.25写)
              ――――今年も、ホタルの写真に挑戦してみます。


 その後、先生は子供達と約束していたらしく教室に入り、≪きもだめし≫を始めま
した。一本のローソクの火で雰囲気を作った先生のこわい話に、子供達は随分泣か
されたようです。

 ローソクの替わりにビンに入れたホタルだったら…?と思い、女房に聞いてみたら、
「情緒がありすぎて怖くない」との返事がかえってきました。当の息子も同じ答えで
した。

 もう少し、ホタルとのお付き合いが続きます。     (住職・筆工)

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